新規就農した当時、トマトを作ることに頭がいっぱいで、収穫したトマトをどこで調整・梱包するかなど、なにも考えていなかった。なにも考えていなかったから、新規就農の際の家選びとしてできるだけ家賃の安い、3万5000円の単身用のアパートを借りた。1階だったら後に家にトマトを運び入れるのに苦労もせず、3万円だったのに。大切なことなのでもう一度言うが、なにも考えていなかったから、次のような間取りの2階のアパートを借りた。
作業場がないので、収穫したトマトは基本、ビニールハウス内で梱包することになるが、一人では終わらないので、帰宅後の家で残業することになる。時には1日で100kg近いトマトを2階の部屋まで運ばなくてはならなかった。
安らげるはずの住居が作業場に変貌するのにそれほど時間はかからなかった。出荷用の段ボールが洋室7帖間に運び込まれ、トマト貯蔵用の大きい冷蔵庫がDKに置かれた。よく床が抜けなかったものだと今では思う。
反省から学ぶに、農家住宅の理想は敷地の広い平屋の一戸建て。しかし、そのような物件は農地より探すのが難しいので、集合住宅に住む場合には、畑の中にプレハブや小屋を建てて、作業スペースと道具を置くスペースを確保すること。
農家の仕事は作ることだけではない。出荷してお客様の口へ運ぶまでが仕事である(笑)。
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