忘れもしない就農3年目に第二農場(串橋農場)がスタートした。
当時、順風満帆で第二農場をスタートさせたわけではなく、家族が増え、ライフスタイルが変わったため、第一農場(上粕屋農場)では収入が足りないことがわかり、急ピッチで次の農場を探した記憶がある。
第二農場の定植日は工事の関係でアイメック栽培の標準とは違う4月だった。これは標準の作型と違い、夏に向かっていく作型のため、短期間で非常にたくさんのトマトが収穫できたが、一気に規模拡大したため、販路とても苦労した。
当時、一軒家を借りて、作業部屋を一室設けていたが、その部屋に販売しきれないトマトは山のように積まれることになった。来る日も来る日も溜まっていくトマト。時期的に露地栽培のものがたくさんある時期のため、各直売所では、安売り合戦がはじまっており、当然出荷を増やせる状況ではなかった。
そんな時、視察先の農家の方に教えてもらった委託加工のトマトジュースの話が頭をよぎる。電話をして聞いてみると長野に加工場があるとのこと。早速300kgのトマトを車に積んで加工場へ走った。
無計画にできあがったトマトジュースではあったが、とても濃厚で甘く好評で、今でも辻ファームのメイン商品になっている。
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今回たまたま加工がうまくいったが、加工品は作っても売れないこともあるので注意が必要だ。売れなかった場合は、原材料代と加工代の両方の損をすることになるからだ。需要と供給がマッチしなくては意味がない。直販をメインにする新規就農者は採れすぎた時の対処法も考えておく必要がある。
農産物の加工は賞味期限を延ばすことはできるが、すべてにおいて最善の策ではない。安売りをせず、時には棄てる勇気を持つことが、生産者のブランド維持につながると思う。
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