トマトの価格が高騰している(昨年比64%高騰とのニュース)。今年の夏は農業をはじめてから過去例を見ないほどの暑さが長く続いたためだ。
トマトは生育適温を超えると、光合成が阻害され、花粉の質が落ち、果実の着果に大きく影響する。夜の温度が高いと日中に光合成で生産した炭水化物を呼吸によって消耗してしまう。その結果、せっかく咲いた花は結実せず落ち、トマトの収穫量が減る結果となる。
実際にどれくらい暑かったかというと、下のグラフを参照していただきたい。
例年よりも全体的に気温が高いが、特筆すべきは9月になって例年より大幅に暑いということだ。約2ヶ月間トマトの生育に適さない気温が続くことで、全国的にトマトが品薄になり、価格を押し上げる結果となっている。
農業を始めて約10年。体感的には毎年猛暑が厳しくなり、栽培の難易度は高くなっている。今年が異常だったわけはなく、今年が基準と考えなくてはならない。日本国内で夏にトマトが作れるのは、もう高原ぐらいしか残っていないのではないだろうか。(標高が100m高くなると気温が0.6度下がるといわれているため)
10月31日現在。辻ファームのトマトはようやく夏のダメージを抜け、収穫量が増えてきたところである。