今年4月、伊勢原市串橋にあるメイン農場で、原因不明でトマトにかん水するための水が出ないというトラブルが発生した。
通常の土耕栽培であれば数日水がやれなくても枯れることはないが、水分・栄養分をフィルムの膜を通して作物に届けるiMec栽培ではそうはいかない。30分に1回少量ずつ水をやり、その1回が出ないだけでトマトが萎れてしまうほどギリギリのラインを攻めているからだ。
農場のトマトはほぼ壊滅状態。このまま騙し騙し続けるか、植え替えるかの決断が迫られた。
経験上このような時は決断を先延ばしにすればするほどダメージが大きい。すべてのトマトを撤去し、急遽脇芽を育苗して元の栽培ベッドを再利用して植え替えを行った。
そして7月。脇芽から作ったトマトは完全に復活した。しかし、また水が出ないトラブル。原因究明をしたところポンプの圧力スイッチの不具合が発覚した。
配管から液肥の肥料分が析出して錆が発生し、圧力が下がってもポンプが起動が不安定だったのだ。今回は幸い早くに気がつけたので、手動でポンプを入り切りし、大事には至らなかった。最近ではAmazonやモノタロウでもこのような部品が簡単に手に入るので、早速注文して修理完了。
新品の機械も10年ほど経つと様々な不具合に見舞われる。
日頃の使用機材、囲まれた環境の観察を怠ると、大変な被害を被るし、仮に気が付けたとしても一切の機材の知識がないと業者任せになってしまい、いざという時に対応できず、判断が先送りになり、経験上被害が最大化されてしまう。
「百姓」という言葉は百の姓、たくさんの仕事ができるという意味もあるそうだ。どの職業でも、広く浅くでもいいからなんでもできる、技能を身に付けることが大切なのかもしれない。
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