農業をしていて一番被害を引き起こすのは台風だ。近年台風の発生時期は早期化しており、8月に台風が直撃することも珍しくない。辻ファームが農場を構える神奈川県にも直撃することが増えてきているため、今回は被害軽減のための対策について説明したいと思う。農家でない方でも施設を運営している場合、何かの参考になるかもしれない。
【まずは台風に進路を確認】
進路をウェザーニュース台風情報などの中期予報で確認するのが最初にやることだ。台風は住んでいる地域の西に進路をとるのか東に進路をとるのかで、風向きが南風か北風か変わるからだ。
畑やハウスの周りの環境を確認し、風除けになるものがあると被害が軽減される。風向きの予想から事前にハウスの補強をするのも一手だと思う。全方位で対策できれば一番であるが、台風が近寄ってくるまでの時間はもちろん、補強にかかる資金のことを考えると、ある程度予測を立てて動かざるを得ない。
【優先順位を決める】
人命が最優先なのはもちろんであるが、作物を守るか、ビニールハウスを守るかで対策が変わってくる。中の作物よりも施設を優先する場合は、ビニールハウスのビニールを剥がしてしまえば、風で飛ばされる心配がない。離島などではこの判断も止むを得ないことがあり得るが、神奈川県ではまずこの選択肢はないだろう。
【実際の作業】
台風通過中に天窓や側窓などが開閉しないよう、自動から手動に切り替えビニールハウスを閉め切る。周囲を見渡し、風で飛びそうな可能性のあるものは片付ける。風を受けて被害を受けそうな箇所は紐で縛るなどして固定し、予想した風向きと逆向きのサイドを少しだけ開ける。負圧でビニールが浮き立つのを防止する効果が期待できる。
【台風通過後】
台風通過後は速やかに閉め切った場所を開ける。そのままにしておくと、高温で作物が焼けてしまい、せっかくの対策も無駄になってしまうからだ。辻ファームでは夜中に台風が通過し切る場合は、夜明け前にすべての作業を行っている。
【最後に注意と保険の備え】
台風通過中は絶対に外に出ないことは絶対に守ろう。なにか施設や作物に不安があったとしても命には変えられないからだ。辻ファームでは毎年来る台風などの自然災害に備え、民間の損害保険と農業共済収入保険と両方契約している。費用はかかるものの、いざというときの安心料だと考えよう。備えがあれば安心して自宅待機ができるからおすすめできる。
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