前回の記事で、台風対策の記事を書いたが、辻ファームも2024年8月末に日本列島に上陸した台風10号で、過去最大の被害を被ってしまった。心の整理がついたので、被害の報告を反省と共に次回への課題を記事にしたいと思う。
【台風の被害は風からだけではない】
今回の台風は上陸したのが遠方ということもあり、風の被害はまったくなかったが、線状降水帯が神奈川県西部を覆い、8月観測史上最大、多い時には1時間で250mmを超える降水量となった。
被害があったのは、比較的高い位置にある今まで被害が皆無のハウスだった。畑が吸水しきれないほどの雨が押し寄せて水が流入し、中を掘り下げて建設されていたため、排水ができず上の写真のように水が溜まった。
その結果、定植してあった約1200本のトマトは十分に水があっても根が呼吸できないため、萎れて全滅してしまった。この被害で9月より出荷予定であったトマトの約半数を失ってしまった。
【次回への対策】
今一度、自分の畑がどういう位置にあるのか確認する必要がある。いくら標高が高くても、周りよりも少しでも低い位置にハウスがあれば、高い位置に降った雨は、低いところに必ず流れる。流れてくることを想定して溝を掘っておくのも良いだろう。
今回被害のあったハウスのように、周りをコンクリートで囲い掘り下げてある場合は、地下排水ピットをつくり、水中ポンプで排水するしかないだろう。
異常気象で過去最大が更新される昨今、1度起きてしまったことは必ずまた起きうることを肝に銘じ、対策をとりたい。
【関連記事】
・【台風10号接近】ビニールハウスの被害を最小限にするための備えと心構え【辻ファーム・神奈川県版】
・【失敗談】バジルなんて楽勝と思ったら全滅しかけた話【新規就農心得】
・【信じるか信じないか】ネコブセンチュウ害に悩まされた畑が堆肥の力で解消した話
・【農業は立地が最重要】メイン農場のビニールハウスが「水没」した話【新規就農者心得】