新規就農してから初めて作付けする時、とにかくたくさんの品種を試験した。アイコ以外にもアイメック栽培に適する品種が知りたかったので、可能性を探ってみようと思った。
多くの品種を作付けし、試験するうちにアイメック栽培に適するフルーツトマトの品種の共通点がわかった。それが以下の通り。
1. 樹勢が強く根が強い品種
根域制限で成長を抑制する栽培なので、もともと弱い品種は向かなかった。樹勢の強い、むしろ強すぎるくらいの品種の方が管理しやすい。俗に言う馬力がある品種が適する。
2. 皮が硬すぎない品種
水分を少なめに栽培するため、皮が硬くなりやすい。元々皮がしっかりしている品種は、皮がプラスチックのように硬くなってしまうので適していない。
3. 節間が短い(長すぎない)品種
密植で通常の栽培よりもたくさんの本数を植えることになるので、節間が長い品種だとつるおろし作業が忙しくなってしまう。
4. 萎凋病の耐性のある品種
畑によって全く病気の発生しないところもあるが、辻ファームでは何年も萎凋病に悩まされた。選択したトマトの品種に萎凋病の耐病性は必須。耐病性がない場合には耐病性のある台木を使って接ぎ木苗にする。
そして一番大切なのは食味。
これは作ってみなければわからない。いくつも自分の環境に合う品種を試してみるしかないが、これには骨が折れ、時間もかかる。農業とは忍耐と向き合う仕事でもある。