2010年当時、神奈川県で新規就農するためには、2つの方法があった。1つ目は農業法人などで一定期間研修し、就農計画を提出し認定新規就農者になる方法。2つ目は、かながわ農業アカデミーに通い、就農計画を提出し、認定新規就農者になる方法である。僕は後者を選んだ(現在はもっと簡易な手続きで就農できるようなので、就農したい方は直接自治体の農業振興課に相談した方が早いだろう)。
後者を選んだ理由はかながわ農業アカデミーは県の組織であり、きちんと行政の作ったレールに乗ったほうが確かだと思ったから。また、その時ちょうど短期研修コースができたため。かながわ農業アカデミーでの研修では、半年間の座学と半年の農家研修を受けることが就農を実現させるための条件だった。
研修を受けるためには会社を辞める必要があり、また、アイメック栽培をはじめるためには、ハウスを建てるか、空きハウスを借りる必要があった。当時を説明すれば、ハウスは見つからないけれど、農家にならなくては空きハウスの情報など入ってこないという状況。またもし情報が入ってきても、タイムリーに借りることができない。だったら会社をやめて、ハウスがなくてもいいからとりあえず農家になって、情報を待つ。というあまりにも無謀な見切り発車だった。
ここまで見切り発車ができたのも、農家研修を受けさせてもらった農業のお師匠の存在が大きい。辻ファームは伊勢原の農家だが、実は就農したのは横浜で、お師匠の土地を貸してもらって実現した。
結果的にアカデミーの研修を受けて良かったと思っている。当時先生だったKさんには現在本拠地である伊勢原のハウスを紹介してもらい、念願のアイメック栽培がスタートできたのだ。
【参考】
・新規就農者育成研修(農業体験コース・農福連携コース)令和2年度
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