新規就農者心得
新規就農者心得として残しておきたいことがある。就農で意外につまずくのは人間関係。地主さんだったり、先輩農家だったり、ご近所の方との関係だったりだ。農家同士が集まるとこの手の話は尽きない。代々その地に住んでいたとしてもいろいろあるのだ。
タイトルの通り書きたいことはたくさんあるのだが、具体的なことを書いてしまうと自分の身に危険が及ぶ可能性がであるので察して欲しい(笑)。
地域の80代くらいのおじいさんの話。「おれは若い頃ここに来て、まだ他所ものなんだ。自治会の役員すらやらせてもらえない。」この話が本当だとすると根が深い。息子、孫の代になってようやく地域に認められるのかもしれない。
新規就農者は、家で畑で常に見られているという意識を欠かしてはならない。こちらからは知らない人であってもあちらはこちらを知っているのだ。
これは神奈川県の話で、より密な、親密圏の網の目の細かな地域への新規就農を計画している方は、ますます感じることなのかもしれない。
家族の中にこういうことに耐えられない人がいる場合は、農業はおすすめできない。都会に比べプライバシーはあってないようなものである。逆に私は開き直って常にオープンで、声が掛かればメディアなどにもできるだけ出ることを心がけている(つい最近もTBS報道特集に出演した)。みんなに自分自身がどんな人間か知ってもらうことこそ地域に溶け込める道だと思うからだ。だが、目立てば目立つほど敵が増え、出る杭は打たれるなどということもある。これは避けて通れない道だと思っている。
少しの気の緩みが信頼を損なう
新規就農者たるもの、周りではなあなあになって許されているような小さなことでも違法なことをしてはいけない。例えば野焼きや軽トラの過積載などだ。少しでも違法性があればいつ何時誰からでも突っ込まれるきっかけを作ることになる。
遠回りな気もするが、まずは道路交通法を熟知すること。これが急がば回れということだ。畑や自宅の脇に車を停車しただけでも通報されることもあるのだ。新規就農者心得として壁に耳あり、障子に目ありを常に心掛けたい。
【関連記事】
【農家の楽しみ】畑でアウトドア&辻ファーム特製トマトピューレを使ったピザ焼き