気温が暖かくなり、家庭菜園の季節になった。
あちこちで野菜の苗の一つとしてトマトのそれが売られているなか、時々質問があるのは、「水をあげなければトマトが甘くなるんでしょ?」というものだ。
確かにトマトを殺す覚悟で臨めばトマトは甘くなるかもしれないが、トマトの寿命は縮むので絶対にお勧めしない。農業の経験から一般の方にできるアドバイスとして、特に「プランターを使ってのトマト栽培では逆に乾かさないようにすることが大事」だと伝えたい。
美味しいトマトを作るために、まず一番重要なのは品種である。トマトには品種を作るブリーダーと呼ばれる役割の仕事があり、どのような意志でどんな特徴のものを作るかが試される。そのトマトが、病気に強い/弱いのか、樹勢が強い/弱いのか、皮が柔らかい/厚いのかなどいろいろな要素がある。一般的にはトマトの栄養価はこのように示されているようだ。
家庭菜園で売られているトマトの品種は病気に強く、皮が厚く割れにくいものが作りやすいが、そういう品種では味の面ではあまり期待はできない。甘さを重視するなら、甘くなりやすい品種を育てるのが一番簡単な方法である。例えば、種で有名なサカタのタネの「キャロルセブン」などが甘くなりやすい。
辻ファームでは夏秋作のトマトを自家育苗している。多めに作るので、その一部の苗を辻ファームオンラインショップで販売する予定だ。
ホームセンターでは買えない農家が選ぶ苗。機会があったらご購入頂いてぜひチャレンジしてみてほしい。
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